まりなので、まずは胃腸の健康で何といっても最も気になるのが胃癌や大腸癌でしょう。 である食欲を、程ほどに・・・などと言うあまり喜ばれない事をうんぬんする事になるばかりか、我々の5臓6腑等の中でも特にその存在が比較 的身近に感じやすいのが手足と目と胃腸なんですが、手足は直ぐに疲れを見せて知らせるし、目も疲れを誰もが感じやすいところです。胃腸も 腹の減ってきたのは事情はどうであれお構い無しに知らせてくれますが、他の臓器は例えば今日は腎臓をよく使ったな−とか、膵臓を疲れさ せたかな−何て感じるものではありませんし、また3大欲?以外の多くの欲望はそれをしなかったからと言って、急にやりたくなると言った物で もないわけです。例えば最近勉強をあまりしてないので無性にやりたくなってきたとか、最近は歩いていないのでどうしても歩きたいとか・・・です からお腹がすけば直ぐにでもそれも何度でも、食べたいと言った欲望を直ぐにあらわにする、そんな自意識の強い胃腸に、あれも止めよ、これ は少なく、規則正しくうんぬん・・・ ている胃や身体を回復させるためにも、正しい食事で体力をつけたいものです。胃弱の人は夏ばてから胃が元に戻らず、秋になっても食欲が 回復しない事があります。それがそのまま、胃弱から胃潰瘍へと進んでしまう事にもなりかねません。そこでたんぱく質が多くて消化の良い大豆 製品やレバー、脂身の少ない鶏肉等を食べたいものです。成人が一日に必要とするたんぱく質は、体重1キロあたり、1〜1.5グラムと言われ ています。胃弱の人はこのたんぱく質を摂取することを見逃している人も多いので要注意です。その他、積極的に食べたいのはコレステロール の分解などに役立つ、のりやわかめなどの海藻類と、たんぱく質がたっぷりな大豆や、ビタミン、鉄分などを多量に含んだ有色野菜の、かぼち ゃ、にんじんなどの野菜類等もバランスよくとることが大切です。 が、今年の厚労省の簡易生命表(2010年統計)によれば「平均寿命」は男79.64歳、女86.39歳となり、男性は過去最高を更新しました が、女性は26年間世界のトップではありますが、残念ながら5年ぶりに0.05歳低下しました。男性は香港、スイス、イスラエルにつぎ、昨年よ りひとつ上がって4位でありました。また別の角度から考察しても1963年(東京オリンピック前年)では100歳以上の人は僅か153人を数える のみでしたが、1981年には1000人、約30年後の1994年にはなんと一挙5000人にもなり、その後僅か4年後の1998年には10000人 と驚くべき増加の仕方であり、その後も毎年驚くべき増加傾向にあります。1999年には11346人、2000年には13036人、2001年には1 7934人にそして2003年には20561人、2005年には25554人まで増え、2008年には何と36276人、そして2009年の統計によれば 44449人にも増加しており、男女ともに最高齢者は113歳です。この10年間では毎年10%を上回る勢いでふえつずけています。その内の 何と86.0%、31213人が女性となっています。 00歳以上の人がいたわけで、2050年には80万人にもなると推測されています。ところが我が国のような先進国では、このような寿命の驚異 的なのびの足元を引っ張る最大の要因の一つが現代ではこの生活習慣病であると言われています。 症状を自覚している人が約42%もいるということです(6歳以上)。この現代社会では食生活のリズムや内容の偏り、飲酒の影響、運動習慣の 面でも、現代人の生活はさまざまな問題をはらんでいると 4万人の内その1/3は癌で亡くなっています。死亡率では肺癌に抜かれ2番目となった胃癌ですが,早期発見で死亡率が低下しているのであり、 胃癌になる人は決して減っているとはいえません。また子宮癌の死亡率も減ってきましたが,一方増加しつつある癌もあります。その代表的なも のが、肺癌,大腸がん、肝癌、 解明された結果、癌遺伝子、癌抑制遺伝子は300前後あるといわれている中で、既に100以上が見つかっているといわれています。癌はある 日突然発生するものではなく、遺伝子を傷つける開始期と促進期があって、平均すると少なくとも10年から20年・・・30年の潜伏期間を経て 癌になるといわれています。 が癌化するきっかけはさまざまな物があります。いわいる発癌物質がその代表的なものです。これらは排ガスや産業廃棄物、紫外線、ある種の ウイルスや細菌などのほか身近な我々の食べ物の中にも色々と含まれています。 性酸素は体内で脂質と結びつくと過酸化脂質になり、同じように遺伝子を傷つけます。すると細胞内にもともとある癌遺伝子が活性化します。そ れによって、その細胞は周囲の細胞の秩序を無視して、ひたすら増殖発展するのです。 癌抑制遺伝子があることがわかっています。遺伝子レベルで細胞の癌化を防ぐ仕組みがあるのです。 ます。以上のように、私達の身体には防御の為の複雑な仕組みが備わっていて、簡単に癌になるわけではありません。複雑な防御システムを何 段階にも潜り抜けた癌細胞だけが、やがて癌として になるリスクが80%くらいあると考えている人もいます。では両親が癌ならその子供が必ず癌になるかと言うと、決してそうではありません。リス クとしての確率が高いと言うことなのです。 的なものの一つが食生活です。 慣病の一つで長い時間を要する慢性の疾患と言われます。これは日常生活の中で注意すれば癌から身を守る事は可能だと言うことです。特に 日本人に多い胃がんや大腸がんなどの消化器の癌が、食べ物の影響を強く受ける事は、様々な疫学調査でも明らかです。食べ物の発ガンの危 険因子 を作ってしまいます。たとえば多量の塩分を一度に摂ると、胃の粘膜が荒れて、胃壁にただれや潰瘍が出来やすくなります。その潰瘍が修復さ れる時に、発癌物質があると、細胞がガン化しやすいのです。 が、さまざまな癌を促進することが認められています。 目程度は、ほとんど心配ありませんが、癌予防に役立つ野菜などを取らないなどの偏食をつずけると、癌になる危険が高くなります。 究では、慢性炎症があると、内因性にもニトロソアミンのできることがわかりました。ただし野菜にはこれを抑える成分もあるので、肉や魚を食 べる時にはたっぷりの野菜を取ることが大切です。 アジ、ハマチ(ブリ)などは、汚染されている可能性が高い?が、遠海のサンマ、マグロ、カツオなどや、脂肪の少ないイカやタコ、エビなどは比 較的汚染が少ないと考えられています。たまごや乳製品に関してはなかなか避けずらい所も有ります。 ています。中でも乳がんや、大腸がんでは大きな危険因子となると言われています。高脂肪食を取ると脂肪を消化するために胆汁の分泌が促 進されます。胆汁の分泌量が多すぎると、一部が大腸に入って腸内細菌により分解され、発癌を促進する物質が出来てしまいます。また、脂肪 を過剰に摂ると、体脂肪が増え、体脂肪に含まれる酵素によって、女性ホルモンの一種エストロゲンが増え、このエストロゲンが、乳がんの発 生や成長を促すと考えられています。 在では安全性が厳しく検査されるようになり、大量に摂取するものでもないからですが、抗酸化剤、防カビ剤、合成着色料、漂白剤、合成甘味 料の中には、実験で発ガン性が疑われているものもあります。 るぺテシテニンなどがありますが、大量に食べ続けないかぎり、ほとんど問題には もありませんが、いまからでも禁煙すれば、煙草のもたらす害を減らす事が出来ます。煙草は毒のカンズメとも呼ばれ、分析すればそれはなん と4000種類の物質から出来ており、その内の200種類が有害物質で、そのうちの40種類が発癌物質といわれています。その中でもニコチ ン、タール、一酸化炭素が3悪と呼ばれています。WHOの統計によれば1998年で煙草の害で亡くなった方は世界で400万人といわれ、203 0年には1000万人もなると予想され、従ってWHOでは、煙草は予防ができる世界最大の疫病!と位置ずけています。また百薬の長といわれ るお酒も、アルコール度の高いお酒では、食道や胃の粘膜を刺激して、障害を招く可能性もあるといわれています。また長年にわたり大量に飲 みつずけると肝炎、肝硬変、肝臓ガンなどの危険性が高まり、高血圧の危険因子ともなることが指摘されています。アルコールの適量には個人 差もありますが、日本人の場合、平均的には、一日に日本酒なら1〜2合、ビールなら1〜2本、ウイスキーならダブル1〜2杯以下と言われて います。 事になります。また食品の成分だけでなく、食習慣も関係します。熱い茶粥を良く食べる地方には食道癌が多いという報告もあります。極端に熱 いものを繰り返し食べる事は、控えた方が安心でしょう。ところで・・・偏った食事になりやすいと言えば、インスタント食品にも注意が肝要です。 日の理想量の50%にもなります。 ます。 800キロカロリーもあり、成人男子の一日必要カロリーの約三分の一にあたります。肥満を招き、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病 の引き金になります。 ん。これらの不足は身体の新陳代謝が低下して肥満や高脂血症、糖尿病などにもなりやすくなります。カルシウムの摂取不足は特に女性では将 来骨粗そう症発生の大きな原因ともなりかねません。ビタミン不足も重症になれば出血傾向や皮膚炎、代謝異常の原因となりかねません。食物 繊維の不足は便秘を引き す。これらは法律上、一応安全が確認された物ばかりですが、近年その一部に環境ホルモンとしての働きが疑われる物もあり、また、カップめん の容器から化学物質が食品の中に漏れ出していると言った報告もあるようですから、従ってたくさん摂らない事に越した事は有りません。 回数が増えたりもしやすくなります。また簡単に済ませると言った習慣が身につくと食事軽視の考えが出てくるとも考えられます。非常に便利で 生活に役立つ反面、いくつかの欠点もあることを知ってそれを改善するように、例えば汁物の汁は半分残すとか、野菜類を付け合せるとかして 上手に利用いたしましょう。 胃液によって、発がん物質・ニトロソアミンに変性する可能性があると言われています。 言われているからです。 素ですが、活性酸素は体内で脂質と結びつくと過酸化脂質になり、同じように遺伝子を傷つけます。これら活性酸素や過酸化脂質を消去させ る、抗酸化作用のある物質をスカベンジャーと言い、体内を掃除する効果をスカベンジャー効果と言います。ビタミン、ミネラル、食物繊維等、 食品中の発癌抑制効果をもつと見られる物質は、既に500〜600種も見つかっています。植物には抗酸化作用のある物質がさまざま含まれ ており、それを最近ではファイトケミカルと総称しています。代表的なものに次のようなものがあります。 野菜に多く含まれる色素で、構造の異なるアルファー、ベータ−、リコピンなどの種類があります。私達が野菜からとっているカロチンのほとん どはベータ−カロチンです。ベータ−カロチンは胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、食道癌など、多くの癌に対して予防効果が認められていま す。ベーターカロチンのがん予防作用として、現在最も重要視されているのは抗酸化作用です。このほか、トマトの赤い色素であるリコピンや、 そばに多いルティンなどにも抗酸化作用があります。 る事がわかっています。また、ハーブのローズマリーなど、しそ科の植物に含まれるジテルペンや、漢方薬に良く用いられる甘草などに含まれ るグリチルリチンには癌の成長を抑制する作用があります。 が、お茶の渋みの成分であるカテキンですがお茶には中でも最強のエピガロ カテキン ガレートが豊富に含まれています。この他癌予防効果 があると考えられるポリフェノール類はぶどうやいちごなどの果物、大豆などの豆類、穀類、カレー粉、しょうが、ごまなどに含まれています。 の野菜に多く含まれています。大根の辛味やねぎ属野菜独特の刺激性の強い匂いは含硫化合物によるものです。アブラナ科の野菜に含まれ る含硫化合物には癌を抑制する抗酸化作用が、ねぎ属野菜の含硫化合物には発癌物質を無毒化するなどの作用があります。 フィルには遺伝子が傷つくのを防ぐ働きがあると考えられています。 きます。また、ビタミンCを多く取ると免疫力が高まり、がん細胞に対する抵抗性も増すと考えられています。ビタミンEもその抗酸化作用ががん 予防に有効と考えられています。ビタミンEを多く含む食品はごまや大豆、トウモロコシ、菜種油、ナッツ、米や小麦のぬかや胚芽などがありま す。また、亜鉛やセレニウム(セレン)などのミネラルは、これらの抗酸化作用を促進する酵素に必要な素材です。 菌を増やしたりする働きがあります。特に大腸がん予防に有効とされています。食物繊維は、水に溶けないものと、水に溶けるものとに分けられ ます。水に溶けない食物繊維には、穀類などに多く含まれるセルロース、ヘミセルロース、リグニンなどが有ります。水に溶ける食物繊維には、 果物に多く いましたが、べん毛を動かして、胃粘膜の下層にもぐりこみ、自ら体内でウレアーぜ酵素の力を借りてアンモニアを作り、胃酸を中和して身を 守るといった菌で、日本人では生活環境の整備により30歳以下の人の感染率は低いのですが40歳以上では70〜80%の人が感染している といわれ、胃潰瘍や、胃癌の原因の一つとされてきました。最近の研究ではピロリ菌を除菌すると胃潰瘍の予防効果はもちろん、胃癌の再発 をかなり抑えられるらしい事がわかってきましたが・・・しかしピロリ菌に感染すると必ず潰瘍になるわけではありませんが、ピロリ菌感染者のう ち約2〜3%の人が潰瘍になるといわれています。しかし、胃潰瘍や12指腸潰瘍の人のうち約80〜95%がピロリ菌に感染しており、ピロリ菌 は潰瘍の原因として大きな比重を占めています。また胃癌の人にはピロリ菌の感染率が高く、胃癌の発生にピロリ菌がかかわっているのではな いかと考えられていますが、正確なところはまだはっきりとはわかっていません。だから除菌したからといって胃癌にならないとも言い切れませ ん。除菌治療の成功率も80〜90%位で再除菌を必要とされることもあります。またピロリ菌に感染するのは主に口からですが感染経路はは っきりしていません。感染は免疫能力の不完全な幼少期、10歳ころまでで、大人になってからは感染 になりましたが、感染すると嘔吐、下痢、腹痛、発熱、等の症状が出ますが、健康な人なら重症になることはあまりありません。牡蠣などを初め とする二枚貝の生食が主な原因の一つとして知られています。人の腸内で増えたウイルスが生活廃水に流れて、海に住む貝類が取り込んで蓄 積すると推測されます。このため冬に食中毒を起こすのが特徴ですが、夏場にも同ウイルスによる食中毒が見られるのは、人の腸内で生きつ ずけたウイルスが、外に出て、人の手を介して感染が広がるからと言われています。このウイルスが原因と解った食中毒の内、半分以上は原 因食品が特定されていません。更に食べ物以外でも広まり、感染性胃腸炎を引き起こすこともあります。集団感染を起こすことも多く、まず十二 分によく手洗いをすることが大切です。小型球形ウイルスに限らず、食中毒の予防は、原因となる菌を、付けない、増やさない、殺してしまう、 の3つが重要ポイントとなります。 的な症状ですが、口の中に苦くて酸っぱい味が広がる、のどがチリチリしてつかえるように感じるなどの症状も、同じ原因によるものと考えら れ、これらの症状が一時的ではなく続ずくようなら、胃酸が逆流し胃に近い部分の食道粘膜に糜爛が起こるために発症する逆流性食道炎で す。肥満、便秘、コルセットやベルトの締め付けなどで腹圧が上昇すると胃酸の逆流をまねきます。また過食や脂肪の多い食事や香辛料等も 胸焼けを引き起こしがちですから、慢性的に胸焼けのある方はまずライフスタイルを見直す必要があります。 機能性胃腸症(FD)、「機能性ディスペプシア」なのです。主にストレスが原因とされ、30〜50歳代の女性に比較的多く、内視鏡検査等では、 粘膜に外見的な異常が見つからないため、従来は「気のせい」「病気ではない」と言われたり、「慢性胃炎」と診断されたりすることが多かった のですが、胃炎と診断して薬を出しても、胃の運動機能低下による症状は、胃炎治療に使われる粘膜保護薬では治らない。「気のせい」と言わ れた場合も、患者は症状がとれないため、かえって不安やストレスが増し、悪化する例も少なくなかったのです。消化管の運動機能低下で胃も たれなどが起きることは、専門医の間では1980年代から世界的に注目されていました。そこで、患者に安心感を与えるとともに、治療の対象 にしようと付けられた病名が機能性胃腸症なのです。この疾患と混同されやすいのが、腹痛や下痢などが表れる「過敏性腸症候群」や、胃酸 の逆流で食道がただれる「逆流性食道炎」。これらの病気でないことを確かめ、内視鏡検査でも問題ない場合に機能性胃腸症と診断されるわ けです。日本人の4人に1人が機能性胃腸症を経験したと見られるのですが、まだ一般的には十二分には理解されているとはいえない所があ るのです。 一群の薬が胃炎や胃潰瘍や十二指腸潰瘍などを引き起こすことがあります。そのため胃薬と一緒に処方する事も多いのですが、2〜3日の服 用で潰瘍を起こすものも有れば、リュウマチ患者のように長期に服用して起こすものもありますが、エヌセイドの使用量に比例して副作用は強 まります。アセトアミノフェン等の鎮痛剤に比べ、鎮痛効果だけでなく消炎効果も期待できるのですが、高齢者は副作用が強く現われるので慎 重さが必要です。また心血管疾患、脳血管疾患、糖尿病などに対する抗血栓療法の薬として世界的に最も広範に使用されている薬剤のひとつ といわれる低用量アスピリン使用中にも消化管潰瘍などを引き起こすこともあり注意が肝要です。 が、酒は効果的に飲めば、薬にも似て健康に良いという意味です。貝原益軒の「養生訓」には、飲酒「天から与えられた美禄」と記されていま す。ほどほどに飲めば陽気になり、ストレスも解消できるし、血行をよくすることで消化を促進するとも言われています。しかし、度を越すと身体 を壊したり、飲み続けることにより「アルコール依存症」のような病気を引き起こすことにもなりかねません。養生訓は「多く飲むとひとを害する。 酒ほどひとを害するものはない。たとえば水や火は人間をよく助けるが、同時に災いをもたらすようなものである」とし、多飲を戒めています。 海外でも酒を効果的に飲むことが健康に良いし、長寿にもつながるとされています。イギリスの医学誌に発表されたマーモレットの論文によれ ば、ある程度酒を飲む人の方が死亡率が低いという結果が報告されていますし、「クラッキーの年代別死亡率統計」によれば、少量飲酒者の 方が禁酒者よりも長生きしています。つまり、適量のお酒は気分を高揚させて、ストレスを吹き飛ばし、食欲を増進させ、疲労感を払い取ってく れるのです。したがって、お酒は脳の機能を向上させることにもつながり、健康・長寿となるわけですので、正しい知識や適切な飲み方を知り、 楽しく活用することが大切でしょう。従って「駆けつけ三杯」が身体に悪いわけは、飲んだお酒は胃で20%、小腸で80%が吸収されます。胃に 食べ物があれば、お酒はその食べ物と混ざり合って小腸に送られるスピードが遅くなります。したがって、身体への吸収も遅くなるのです。何も 食べずにお酒を飲んだ場合には、胃を速やかに通過して小腸に達してしまうため、身体への吸収も早く、アルコールの血中濃度も急激に高ま ってしまいます。ですから、すきっ腹に「駆けつけ三杯」などはよく言いますが、大変身体に悪く、しかも危険なことなのです。同様に「イッキ飲み が危険」と言うこともよく知られています。これは、肝臓で1時間に分解できるアルコール量は人によっても多少異なりますが、6〜9ccといわれ ています。ところが、空腹時やイッキ飲みなどで短い時間に多量のアルコールを飲むと肝臓の処理能力が限界を超えて、血中のアルコール濃 度が急上昇してしまうのです。その結果、大脳皮質の機能が低下し、初めはほろ酔い気分ですが、すぐに小脳などの機能が低下して、情動行 動や歩行ができなくなります。こうした段階では吐き気や嘔吐もおこりますが、さらにアルコール濃度が上昇すると、昏睡状態やついには呼吸 停止を引き起こすことも考えられ、死に至るケースもあり非常に危険なのです。飲酒は適度に自分の適量をわきまえ、楽しく飲むことが基本 で、人と競争したり、無理やり飲ませたりなどルールを無視した飲み方は百害有って一利なしなのです。適正飲酒とは、未成年者の飲食は法 律で禁止されていることは言うまでもありませんが最近の全国調査(96年度)では月に1〜2回以上の頻度で飲酒する割合は中学3年生男子 25.4%、女子17.2%。高校3年生男子51.5%、女子35.9%もあるとのことです。未成年者の脳や内臓器などは発育途中であり、肝機能も 大人より劣ります。したがって、成長障害、性腺機能障害等の危険も多いし、何より肝臓やすい臓などの臓器障害に陥りやすいので禁止しされ ているわけです。厚生省がまとめた健康づくり指針「健康日本21」でも、「節度ある適度な飲酒」が取り上げられ「1日平均純アルコールで20g (約25cc)程度」を節度ある適度な飲酒量として推奨しています。日本酒で換算の場合、1日約1合です。これは飲酒の影響について、国内外 の研究結果から飲酒量が男性で1日0.5〜1.0合弱(日本酒換算)、女性では0.5弱の割合が最も死亡率が低く、それより増加するにしたが い、死亡率は上昇することから飲酒量を設定しています。お酒を楽しく飲むためには、飲酒量のことだけでなく、適量を適正な方法で飲むこと が、医学的にも健康にも良いと言われています。皆さんも「適正飲酒」を実践することにより、美味しいお酒を楽しく飲んで、健康で幸せな生活 を送るように心がけましょう。 |